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専門外ですが

 今日は憲法(施行)記念日なんです。関係代名詞を後ろから訳し上げた痕跡さえ赤裸々に残すわが憲法は確かにアメリカ製。でもその起草にあたったGHQ民政局のチームが最も参考にしたものはわが国の良識を代表する専門的研究者グループが公表していた日本語で書かれた草案。そしてその草案は学術研究の成果を示すことよりも、当時の国民的コンセンサスを結実させることを目的に書かれたものだったそうです。
 そもそも、マッカーサーに一番選択したくない選択肢を選ばせたのは、明治憲法と大差ない原案を国民に内緒で起草していた(毎日新聞にスクープされた)日本政府。英文草案を押しつけられた瞬間も「これを受け入れないなら天皇制を含むあらゆる憲法論議を国民の自由に行わせる用意がある」と通告されています。日本人が日本語で起草したものを自主憲法と言うのなら、自主憲法を起草するチャンスを少なくとも2度も潰したのは当時の日本政府。その直系の政治勢力たる自民党が自主憲法を要求するなら、「先祖」が行った政治的決断の重大な誤りをまず認めて反省すべきだと私は思います。1945年から1946年にかけて、彼らは国民の意見を広く聞いて、新しい時代にふさわしい憲法を制定する努力を全くと言っていいほどしていないのです。これは厳然たる史実で誰も否定できないでしょう。
 一国の憲法が占領国の人材と国語で書かれたことは、あまり強調されていませんが、たしかにすごく不幸だと思います。しかし、たった10日間で仕上げられたその異国製の憲法の内容は、今も世界最高水準を誇る民主的憲法であり、短期間で審議したことからくる複数の弱点にもかかわらず、今も世界に誇るべき存在です。日本の当時の支配層が最も望まないものであったことは間違えないでしょう。そして、制定後数年以内に、アメリカ合衆国も自ら原案を押しつけた憲法の平和的民主的条項のいくつかが、自らの国益に反することを明瞭に認識したと言われています。乱暴な言い方をすれば、いわば、人類史上最大級の「超結果オーライ」とも言えます。私は、英文草案を起草したGHQ民政局のスタッフは、こうしたこともある程度予期していた、つまり自分たち自身が何をしているのか分かっていたのではないかと、根拠はないけれど、なんとなくそう思うのです。
 あらゆる政治的議論は動かしがたい歴史的事実を踏まえることから始めないと大変なことになります。歴史学はそのためにも存在します。
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